読む写真「むぎ写真」9
ごつごつと粗く
張りつめた暮らしに疲れると
決まって
あのひらべったい場所に行きたくなったものだ

きしむことなく
ただ ただ遠くを見渡せる
東京の
端っこへ



愛するものを咲かせ
憎むものを泳がせ
哀しいものには羽を与え

逃してやろう

誰もがゆるまる此処は
幸福な場所
そして私の記憶の
端っこへ
追い遣られたまま
長らく甦(よみがえ)らなかった場所
それでも
変わらずにその懐は広く
建築物に囲まれてもなお
宿りのままに
