読む写真「むぎ写真」2
この里は
あの街よりも呼吸しているでしょうか
目の前の空き地に水溜りを見つけて
xxxx x xxx xx
ふと口をついた唄は
掴(つか)むこともできず
後ろに流れ
溶けていった
刻まれる時間よりも遅く
息継ぎよりも早く
真ん中だとか、外れだとか
もう
そんな決めごとは意味をなさない
よそと同じように
むらなく整えられたこの里に
年の初めの明け方から
めずらしく雪が降り
溶けていった
裂けた雪雲の隙間から
現れ出てきた太陽は
濡れたもの枯れたもの動くもの止まるもの、
ありとあらゆるものを
何のてらいもなくあぶり出す
大きく凹んだ鏡に映る光景は
幼い頃
涙目で見た眺めに似て
転がる柑橘を拾いたくなるのは
酸っぱくて
とても食べられない代物だと
わかりたいから
ほら
この里には
あの街が
決して真似できぬ
独特の呼吸と
節回しがあって
xxxx x xxx xx
なにものにも縛られることなく
溶けて漂う
あの唄は